【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染者が110万人を超えた米国の各地で1日、感染拡大を防ぐための自宅待機命令に反対し、経済活動の再開を求める抗議デモが開かれた。米国では自宅待機命令を支持する国民が6割に上る一方、長引く規制に不満が高まっており、世論が二分している。
米国で感染者が最も多い東部ニューヨーク州では州都オールバニに約300人が集まり、「働かせろ」などと声をあげながら、クオモ州知事に対し、外出制限措置の解除を求めた。
抗議デモは保守系団体が主催した。参加者の多くは星条旗を手にし、「貧困はウイルスよりも恐ろしい」などと書かれたプラカードを掲示。外出制限の解除に慎重なクオモ氏を「憲法で保障された自由を奪っている」と批判した。
ニューヨーク州では感染の9割がニューヨーク市など南部に集中し、オールバニなど他の地域は感染者が少なく、「長期の行動制限は不要だ」と不満が募る。子供向けのダンススクールを営むメラニー・カセッラさん(32)はコロナ禍で失職し、「食料を買うことさえも難しくなった。経済を早く再開しないと、健康な人まで生活ができず、殺してしまうことになる」と訴えた。
米国では南部ジョージア州が4月24日に経済活動を一部再開させるなど、保守色の強い州を中心に動き出しているが、大都市を抱えるニューヨーク州などは感染拡大を恐れて早期再開には慎重姿勢を貫いている。米紙ワシントン・ポストによると、週末にかけて、全米の32州で100以上の経済再開を求める抗議デモが開かれるという。
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