【コロナ禍 それでも前へ】わら納豆人気の復活を 水戸・だるま食品社長、高野正巳さん(74)

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PR看板を手に福藁プロジェクトについて熱く語る高野正巳社長=水戸市柳町

PR看板を手に福藁プロジェクトについて熱く語る高野正巳社長=水戸市柳町

 水戸を代表する納豆メーカー「だるま食品」。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、スーパーなどで売る家庭向けの商品はむしろ順調な売り上げを保つが、観光客がターゲットの土産用商品、特にわら納豆の売れ行きはさっばりだという。

 「観光客の減少で土産用は4月の売り上げが例年より7~8割減少している。500円から1千円と単価が高いので、いくら家庭用商品が売れても全体のダメージは大きい」。高野正巳社長(74)は深刻な表情を見せる。

 「今は無理をして毎日品物を届けに来なくていい。会社の存続を第一に考えて」と土産用の商品を納入する取引先から温かい言葉をかけられ、「ありがたい」と感謝する。

 9年前、平成23年の東日本大震災では工場の天井が落ち、生産ラインも被害を受けて復旧まで約3週間を要した。一時は店頭から納豆が姿を消した時期もあったが、立ち直れたのは「ある程度、がんばれば何とかなるというめどがあった」からだった。「でも今回の新型コロナは先が全然見えない」と唇をかみしめる。

 経済産業省は資金繰りに苦しむ中小企業などへ最大200万円を支給する「持続化給付金」の申請受け付けを開始したが、「一度だけもらってどれだけ効果があるのか。帳簿を毎月きちんと見せ、代わりにある程度の金額を一定期間補填(ほてん)してもらったほうが会社は助かる」と力説する。

 震災の数日後、水戸市柳町の工場近くのガソリンスタンドへ給油のため渋滞する車に、在庫の納豆を無償で配布。今回のコロナ禍でも3月上旬の県内小中学校の臨時休校が急に決まり、行き場のなくなった給食用の納豆を工場隣の本店直売所で買い物客に贈呈した。こうした窮地にもめげない心遣いが“だるま納豆ファン”を増やしてきた。

 わら納豆は、伝統の製法を絶やさないよう水戸市が音頭を取り、今は貴重な稲わらを作る農家、わらを裁断・加工する福祉施設と各納豆業者が協力し合って取り組む「福藁(ふくわら)プロジェクト」の産物でもあった。

 「だから売れなければみんなが困る。いつかコロナが収まり、観光客がどっと茨城へ押し寄せて再びわら納豆が人気になれば」と高野さんはその日を待ち望む。 (三浦馨)

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【プロフィル】高野正巳

 たかの・まさみ 昭和20年、水戸市生まれ。高校卒業後、別の企業で7年間、サラリーマン生活を送り、父の創業した高野商店(後のだるま納豆本店)へ入り、平成2年、2代目社長に。より多角的経営を目指して9年に社名を「だるま食品」へ改めた。唯一の趣味はゴルフで、ベストスコアは「若い時の」81。

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