新型コロナウイルスの感染拡大防止のための政府の緊急事態宣言をめぐり、西村康稔経済再生担当相と大阪府の吉村洋文知事が一時対立したが、解消した。
吉村氏は5日、外出自粛や休業要請を解除する独自の基準「大阪モデル」を公表し、「本来ならば国に示してほしかった」と批判した。西村氏は6日の記者会見で「勘違いしているのではないか。強い違和感を覚える。解除は知事の権限だ」と述べていた。
緊急事態宣言の根拠となる改正新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事が外出自粛要請や店舗を含む施設の使用制限の要請、指示、公表ができる。解除の判断も知事の裁量だ。
西村氏は7日の記者会見で、6日に吉村氏と電話で協議したことを明らかにした上で「お互いのちょっとした言葉のあやというか誤解があったので、解いた」と説明した。「府知事として指標を考えるのは、説明責任を果たすということで非常によいことだ」と述べた。
一方で、緊急事態宣言の解除の基準に関しては「国全体として対象地域をどう考えるかというのは国の責任なので、私が説明責任を負う。しっかり示したい」と語った。吉村氏との「わだかまり」の有無を問われると「むしろこれで絆が深まったと思う。連携して収束に向けて全力で取り組んでいきたい」と強調した。