任天堂が7日発表した令和2年3月期連結決算は、売上高が前期比9・0%増の1兆3085億円、営業利益が41・1%増の3523億円、最終利益が33・3%増の2586億円となった。新型コロナウイルスの感染拡大で主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の生産に影響が出たが、外出自粛に伴う「巣ごもり需要」の高まりで販売を伸ばし、増収増益を確保した。
元年度のスイッチと昨年9月に発売した携帯専用型「ニンテンドースイッチライト」の合計販売台数は24%増の2103万台で、目標の1950万台を大きく上回った。
世界各国で感染予防のため外出の規制や自粛が続く中、ダウンロードでのソフト販売が伸び、デジタル売上高は2041億円(71・8%増)に。ソフトでは3月20日発売の「あつまれ どうぶつの森」が12日間で1177万本を販売し、スイッチ向けでは過去最高の滑り出しを記録した。
一方、3年3月期の業績予想は売上高が8・3%減の1兆2千億円、最終利益が22・7%減の2千億円とした。新型コロナの感染拡大で、今後も生産への支障のほか、販売経路の制限、開発者の在宅勤務による開発スケジュールの遅れなどを想定した。
古川俊太郎社長は決算説明会で、新型コロナの影響について「部品の調達に課題が生じ、4月以降の生産数に影響している」としながらも、「通期では、計画の販売予想を満たす数量を生産できる前提で計画を組んだ」と述べた。