「外出制限はゆっくり着実な解除を」 WHO事務局長が強調





テドロスWHO事務局長=スイス・ジュネーブ(AP)

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、ジュネーブでの記者会見で、欧州諸国などが新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向にあることを背景に外出制限の緩和を進めていることについて、「生命と生活を保護するためにゆっくりと着実に解除していくことが重要だ」との考えを示した。

 テドロス氏は会見で、店舗の営業規制の緩和などを進めているドイツで感染者が増加したことをあげ、「(緩和後も)ウイルスに注意深く目を配る必要がある」と述べた。

 テドロス氏は、各国が最終的に外出制限の解除を判断するには、(1)感染が制御されているか(2)感染者が増えた際に医療態勢が対応できる状況か(3)感染経路の特定ができる状態にあるか-といった条件が求められると指摘。「外出制限の解除は複雑で困難な作業になる」と述べた。

 WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏も「多くの国が外出制限の緩和を進め、希望が見え始めている」とした上で「(感染拡大には)極めて強く警戒する必要がある」と強調した。

 一方、WHOで法務を担当するソロモン氏は11日、テレビ電話形式での開催が18日から予定されているWHO年次総会への台湾の参加について、これまでに13カ国から要望が出されたと明らかにした。台湾は、「一つの中国」原則を掲げる中国の妨害で、WHOへの加盟はもとより年次総会へのオブザーバー参加も認められない状態が2017年から続いている。

 WHOは台湾の参加を実現するか否かは、加盟194カ国の判断次第としている。



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