ロンドンの鉄道駅に勤める駅員の女性(47)が3月、新型コロナウイルスに感染していると主張する男に唾をかけられた後、新型コロナに感染して亡くなった。英警察は事態を重視して13日までに捜査を開始、男の行方を追っている。BBC放送などが伝えた。
公共交通機関や病院など、外出制限下でも働かざるを得ない労働者の感染被害は深刻化している。ジョンソン首相は13日の下院討論で、危険を冒して働き続ける労働者が攻撃されたことに対して「恐ろしい行為だ」と強く非難した。
女性は3月22日、ビクトリア駅で切符の販売をしていたところ、男から「そこで何をしている。自分は新型コロナに感染している」と言われ、唾をかけられた。もともと呼吸器系の疾患があったといい、数日後に感染症を発症、入院後の4月上旬に亡くなった。
女性には感染防護具が提供されていなかったといい、所属する労働組合は「死亡は避けられたはず」と勤務先の対応を批判している。女性はコンゴ(旧ザイール)出身で、2000年に英国に移住していた。(共同)