令和2年3月期決算の発表が15日、ピークを迎えた。SMBC日興証券の集計によると、14日までに発表した東京証券取引所1部上場の791社(金融除く、全体の59・0%)の本業のもうけを示す営業利益は前期比11・3%減の21兆7970億円。前期を下回るのは8年ぶりで、未発表分は事前の会社予想通りと想定すると、減益幅はリーマン・ショックが直撃した平成21年3月期以来の水準となる可能性がある。
新型コロナウイルスの感染が拡大した1~3月期に急ブレーキがかかった。1~3月期の最終利益は66・7%減の1兆336億円。減益幅、金額ともに東日本大震災が発生した平成23年以来の低水準となる可能性がある。
業種別では、鉄鋼(659・4%減)や石油・石炭(412・3%減)、空運(261・2%減)などの落ち込みが目立った。世界的な経済活動の停滞により、需要が消えたためだ。
令和3年3月期の業績予想を「未定」とした企業は493社と、東証1部全体でこれまでに業績を発表した企業の半数を超えている。政府は14日、39県で緊急事態宣言を解除したが、事業環境をめぐる先行き不透明感は晴れないままだ。
SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは「日本で自粛モードが本格化した4~6月期はさらに厳しくなるだろう。現実的に考えて、今期は通期で増益になることは期待しにくい」との見方を示している。