日本郵政、かんぽ増益も販売再開見通せず 蝕まれる「稼ぐ力」

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日本郵政の増田寛也社長(松本健吾撮影)

日本郵政の増田寛也社長(松本健吾撮影)

 日本郵政グループは15日、令和3年3月期の連結最終利益が前年同期比42・1%減の2800億円となるとする業績予想を発表した。かんぽ生命保険の不正販売に伴う営業自粛と新型コロナウイルスの感染拡大による事業環境の悪化が背景にある。かんぽ生命の2年3月期の新規契約数は前年同月比62・3%減の64万件にとどまっており、影響が拡大する見通し。買収した豪州物流大手トール・ホールディングス(HD)の再建ものしかかり、不正販売問題、コロナ禍と合わせた三重苦で収益改善の道筋は見通せない。

 「営業再開は慎重に考えていきたい。いつ、どうしていくのか申し上げる段階ではない」

 日本郵政の増田寛也社長は保険販売の再開時期に言及しなかった。

 顧客に不利益を与えた可能性のある契約18万3千件の調査がほぼ完了しているが、コロナの影響で従業員への対面調査を中断する事態となっており、関係者の処分などにも影響が出ているからだ。販売の再開にこぎつけたとしても、徹底したコンプライアンスが求められ、販売実績は落ち込むとみられる。販売を請け負う全国の郵便局員の約5%に当たる1万人の削減なども検討しており、稼ぐ力の低下は必至だ。

 日本郵政グループは郵便物の減少などで、郵便事業が頭打ちとなっており、かんぽ生命とゆうちょ銀行の金融2社が収益を支える。営業自粛による経費圧縮で、2年3月期は最終増益を確保したものの、中期的な収益悪化は免れない。

 低金利の長期化などで苦戦が続く金融事業に代わる新たな領域でも活路は見いだせていない。

 日本郵政は平成27年にトールHDを6200億円で買収。国際物流事業のてこ入れを目指したが、業績が悪化し、平成29年3月期に約4千億円の減損損失を計上。人件費などの固定費が今も収益の重しとなっており、令和2年3月期も362億円の特別損失を計上した。

 不採算部門の売却などを進め、今年度の営業損益の黒字化を目指すが、豪州経済の悪化で荷物の取扱量は減少しており、成長は不透明だ。日本郵政は4年3月期から3カ年の中期経営計画を策定中だが、「物流の将来は、コロナの関係で読みづらい」(増田社長)と厳しいかじ取りを迫られそうだ。

 日本郵政が15日発表した2年3月期連結決算は、小型郵便の取り扱いが増加したことなどから最終利益が前年同期比0・9%増の4837億円だった。一方、かんぽ生命の手数料収入の減少などで、売上高に当たる経常収益は前年同期比6・5%減の11兆9501億円だった。

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