スバル、増収増益も大幅減配 新型コロナ資金需要に備え 役員報酬返納





スバルのロゴ(佐藤徳昭撮影)

 SUBARU(スバル)は18日、令和2年3月期の期末配当を予想の72円から大きく減額し、28円とすると発表した。同日発表の同期連結決算は新型コロナウイルスの影響が限定的で増収増益だったが、先行きが見通せないため配当を減らし、3年3月期の資金需要などに備える。これに伴い中村知美社長をはじめ執行役員全員が報酬を一部返納する。

 減配は6月23日予定の株主総会で正式に諮る。中村氏は電話説明会で、役員報酬返納は一時帰休させている従業員と「痛みを分かち合う」意味もあるとした。2年3月期分の業績連動報酬を役職に応じ30~5%返納し、今年度の4~9月の月額を一律5%返納する。

 2年3月期の連結決算は売上高が前期比6・0%増の3兆3441億円、本業のもうけを示す営業利益は15・7%増の2103億円、最終利益は7・9%増の1525億円。スポーツ用多目的車(SUV)「フォレスター」の新型などが主力市場の米国で特に好調で、販売増を牽引(けんいん)した。米は感染者数が世界最多となって経済が停滞しているが、中村氏は電話での説明会で「生産停止が3月中盤からで、業績への影響は限定的だった」と説明した。

 一方で先行きは、国内、米国とも停止していた生産が今月11日に再開したものの、国内は減産を少なくとも6月19日まで続けるなど本格回復は未定。中村氏は「感染第2波の恐れもないとはいえず、米の今後をどう見込むかは非常に難しい」と語った。

 取引先支援にも備え、金融機関からの借り入れや社債で1千億円をすでに調達し手元資金を積み増し。また約2千億円の融資枠(コミットメントライン)、社債発行枠400億円、コマーシャルペーパー(CP、無担保の約束手形))発行枠1千億円も準備した。



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