【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は19日、上院の銀行住宅都市委員会で証言する。FRBが事前公表した証言書面によると、パウエル氏は、新型コロナウイルスの流行で悪化した経済を支えるため「政策を総動員する」と強調。景気回復の確信が得られるまで、事実上のゼロ金利政策を継続する方針を改めて表明する。
パウエル氏は証言で、コロナ禍にともなう景気悪化のスピードと深刻さが「第二次大戦後のいかなる景気後退より大幅に悪い」と指摘。約2カ月で2千万人を超えた失業者が発生するなど、深刻な経済への打撃が「言葉で言い表せないほどの痛み」を招いている指摘する見通しだ。
FRBは3月、政策金利を0%まで引き下げた。景気改善が軌道に乗ったと確信できるまでは、「現状の金利水準を維持する」方針だという。
パウエル氏は17日の米CBSテレビのインタビューで、経済の回復見通しについて「来年末まで長引くかもしれない」と述べ、経済活動が活発化するまでに長期間を要するとの見方を示していた。
議会証言は、3月下旬に成立した2兆2千億ドル(約236兆円)規模の経済対策の法律に基づいて実施され、ムニューシン米財務長官も出席する。ムニューシン氏は、追加的な経済対策に関するトランプ米政権の方針にも言及する可能性がある。