【パリ=三井美奈】フランス国民議会(下院、定数577)で19日、マクロン大統領の与党「共和国前進」会派から7議員が離脱し、同党会派は下院で過半数を失った。2年後の大統領選を前に、マクロン氏の失速を印象付けた。
7人は主に、環境政策を重視する党内左派。同党会派は7人の脱退で288議席になり、過半数ラインの289議席を割り込んだ。
ただ、マクロン政権は、中道与党「民主運動」(46議席)と合わせて下院の過半数を維持しており、当面の政権運営に不安はない。
「共和国前進」はマクロン氏が、2017年の大統領選出馬を前に設立した新党。大統領選の勝利に乗って同年の下院選で大勝し、同党会派は当初、314議席を占めた。18年以降、マクロン政権が進める経済改革への不満から、党内左派の離脱が相次いでいる。
7人は、新会派「エコロジー民主連帯」の結成に加わった。17人による新会派で、「共和国前進」会派の離脱組が中心となっている。