素材産業、新型コロナで総崩れ 需要牽引業種「見当たらない」

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東日本製鉄所鹿島地区の第1高炉=茨城県鹿嶋市

東日本製鉄所鹿島地区の第1高炉=茨城県鹿嶋市

 素材分野で「コロナショック」の影響が広がっている。日本鉄鋼連盟(鉄連)が22日に発表した4月の粗鋼生産量は、前年同月比23・5%減の661万7千トンと、2カ月連続で前年実績を下回った。石油化学製品の基礎原料であるエチレンの生産も減少しており、主要顧客である自動車メーカーの生産減などが打撃となっている。

 鉄連によると、23・5%の下落率はリーマン・ショック後の平成21年7月(24・9%減)以来の大きさ。12・5%減だった3月からさらに拡大しており、鉄連では「鋼材需要を牽引(けんいん)する業種が見当たらない」と話す。

 鉄鋼大手は、再稼働できる状態で高炉を止める「バンキング」を実施中で、低水準の生産は続く見通し。令和元年度の粗鋼生産量は米中貿易摩擦を背景に1億トン割れとなったが、日本製鉄の橋本英二社長は「(2年度は)新型コロナが9月までに収束したとしても8千万トンを下回る」とさらに悲観的な見通しを示す。

 不振が目立つのは鉄鋼だけではない。石油化学工業協会(石化協)が21日に発表した4月のエチレン生産量は前年同月比9・7%減の46万5400トンと低迷。設備稼働率は91・4%と、好不調の目安となる90%を6年4カ月ぶりに割り込んだ3月からは回復したものの、今月以降に控える定期修理を前に在庫を積んだのが主な要因。石化協の森川宏平会長(昭和電工社長)は「(自動車など)工業用途向け分野のさらなる低下が見込まれる」とする。

 このほか、日本製紙連合会が22日に発表した紙・板紙の国内出荷量も、9カ月連続のマイナスとなる前年同月比9・4%減の186万7千トンと低迷。6・2%増だったトイレットペーパーなどの衛生用紙以外は、総じて需要が落ち込んでいる。(井田通人)

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