【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は23日、新型コロナウイルスの新たな感染者が22日に確認されなかったと発表した。新規感染者が0人だったのは、中国政府が1月20日に対策を本格化させてから初めてだが、無症状の感染者は28人確認された。「感染第2波」の懸念がくすぶっており、開催中の全国人民代表大会(全人代)でも「いまなお終息していない」と警戒感が示された。
同委員会によると22日には新型コロナによる死者も確認されなかった。28人の無症状感染者のうち25人は湖北省で確認された。感染源となった同省武漢市では全市民を対象にしたPCR検査が進行中で、それが関係しているとみられる。
ただ、中国国内では今も感染の再流行が懸念されている。中国メディアによると、5月上旬以降に東北部の吉林省舒蘭(じょらん)市から広がったとみられる感染者は、これまでに同省や遼寧省で計40人を超えている。
李克強首相は22日の政府活動報告で新型コロナ対策について「大きな戦略的成果を収めている」と強調しつつも、「常態化した感染症対策の取り組みにたゆまず力を入れる」との方針を示した。