安倍晋三首相は25日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を全面解除した理由を説明した。会見の全文は以下の通り。
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「まず冒頭、改めて今回の感染症によってお亡くなりになられた方、お1人お1人のご冥福をお祈りします。感染された全ての皆さまにお見舞いを申し上げます」
「本日、緊急事態宣言を全国において解除いたします。足元では、全国で新規の感染者は50人を下回り、一時は1万人近くおられた入院患者も2000人を切りました。先般、世界的にも極めて厳しいレベルで定めた解除基準を全国的にクリアしたと判断いたしました。諮問委員会でご了承いただき、この後の政府対策本部において決定いたします」
「3月以降、米国では、欧米では、爆発的な感染拡大が発生しました。世界ではいまなお日々10万人を超える新規の感染者が確認され、2カ月以上にわたり、ロックダウン(都市封鎖)など強制措置が講じられている国もあります。わが国では、緊急事態を宣言しても罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することはできません。それでもそうした日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができました。まさに、日本モデルの力を示したと思います。全ての国民の皆さまのご協力、ここまで根気よく辛抱してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます」
「感染リスクと背中合わせの過酷な環境のもとで、強い使命感を持って、全力を尽くしてくださった医師、看護師、看護助手の皆さん、臨床工学技士の皆さん、そして保健所や臨床検査技師の皆さん、全ての医療従事者の皆さまに心からの敬意を表します」