米医薬品大手メルクは26日、オーストリアのワクチンメーカーのテミス・バイオサイエンスを買収すると発表した。新型コロナウイルスのワクチン開発を加速させるのが狙い。臨床試験を年内に開始する計画としている。買収額は明らかにしていない。
テミス社はフランスのパスツール研究所とワクチンを開発。メルクはほかに、非営利研究組織の米IAVIと新型コロナのワクチン開発で、米バイオテクノロジー企業のリッジバック・バイオセラピューティクスと治療薬で、それぞれ協力することも発表した。
メルクのフレージャー最高経営責任者(CEO)は声明で「新型コロナは世界的な課題だ。開発するワクチンと薬は、世界的に手頃な価格で手に入れられるようにする」と述べた。
新型コロナを巡って、日本勢も含めて多くの企業が、ワクチンや治療薬の開発に乗り出しており、競争が激しくなっている。(共同)