ファーウェイ幹部の身柄引き渡し審理継続 カナダ裁判官、主張を退ける 





27日、審理に出席するため家を出るファーウェイ副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟被告=カナダ・バンクーバー(ロイター)

 【ニューヨーク=上塚真由】カナダ西部バンクーバーの裁判所は27日、米当局が起訴した中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟(もう・ばんしゅう)被告(48)=保釈中=の米国への身柄引き渡しの可否を決める審理で、「カナダでは罪にあたらない」とする被告側の主張を退ける判断を下した。これにより、審理は継続されることになった。

 孟被告は2018年12月、米国の要請を受けたカナダ当局によってバンクーバーの空港で拘束。米国で19年1月、米政府による対イラン独自制裁を逃れるため、金融機関に虚偽の説明をしたなどとして詐欺罪などで起訴され、米国はカナダに身柄の引き渡しを要請した。

 今年1月にカナダで始まった審理では、米国での起訴内容がカナダでも違法に当たるかどうかの「双罰性」が主な争点となっており、検察側は、被告の行為はカナダでも詐欺に当たると主張。これに対し、孟被告側はカナダには対イラン制裁が存在しないため、犯罪は成立しないとして釈放を求めていた。

 今回の判断を受け、カナダ当局の逮捕手続きに違法性があったかどうかなどが、今後の審理の焦点となる。身柄の引き渡しをめぐる審理は年末まで続く見通しで、上訴することが可能なため長期化も予想されている。



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