【ワシントン=住井亨介】トランプ米政権は27日、対イラン制裁の猶予措置を縮小し、イラン西部アラクの重水炉をプルトニウムが抽出しにくいように改造する工事など、原子力関連の3事業を新たに制裁対象にすることを発表した。イランが制裁に反発して核関連の開発活動を活発化させる恐れがある。
ポンペオ国務長官は声明でウラン濃縮を拡大させるイランを非難し、「(イランの)エスカレートする行動は受け入れがたく、猶予措置の延長は正当化できない」と強調した。関係企業には60日以内に撤退するよう要請している。
猶予措置はイラン核合意に基づき、濃縮ウランやプルトニウムをイランに製造、保有させないために認められた。米国は2018年、対イラン制裁の再発動に伴って外国との新たな原子力協力を認めないと表明したが、例外として3事業の継続を容認してきた。アラクの重水炉改造は中国やロシアが参画している。