【北京=三塚聖平】米国で続く抗議デモと暴動について、中国官製メディアが大々的に報じている。香港で昨年から続く政府への抗議活動となぞらえる報道が目立ち、香港への国家安全法導入を正当化するのに利用しているとみられる。
中国国営中央テレビは連日、米国のデモと暴動が深刻化している様子などを繰り返し放映している。1日の論評では「暴力的な衝突など香港の街頭で起きたものと似通った場面を米国で再演している」と皮肉った。香港の抗議活動を擁護してきた米国の政治家が、今回のデモを「暴徒」と断じているなどとして「米国式のダブルスタンダード(二重基準)」だと批判を加えた。
共産党機関紙、人民日報(電子版)は「米国の政治屋は人権問題を利用して中国の内政に干渉するのをやめるように」と牽制(けんせい)した。