ボーガン殺傷事件 伯母を「電話で呼び出した」





男がボーガンで矢を放ち、親族4人が死傷した事件現場にむかう捜査員ら=5日午前、兵庫県宝塚市(彦野公太朗撮影)

 兵庫県宝塚市の住宅で4人がボーガンで撃たれ、3人が死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された自称大学4年、野津英滉(ひであき)容疑者(23)が重傷を負った伯母について、「電話で呼び出した」と供述していることが5日、捜査関係者への取材で分かった。

 野津容疑者は伯母を呼び出すのと前後して、住宅内で祖母ら3人をボーガンで襲撃。被害者全員について「殺すつもりだった」と供述しており、県警は伯母を含めた親族と容疑者との間に何らかのトラブルがあったとみて動機の解明を急いでいる。

 県警は5日朝から室内の捜索を実施。凶器となったボーガンなどを押収し、事件の詳しい経緯を調べる。

 県警によると、事件は4日午前10時15分ごろ、同市安倉西の住宅で発生。野津容疑者は同居の祖母、好美さん(75)と弟の英志(ひでゆき)さん(22)、別の場所で暮らす母親のマユミさん(47)、伯母の百合江さん(49)の頭部や首に向けて至近距離からボーガンの矢を計5本放った。矢は全て4人に刺さり、祖母と母親、弟の3人が死亡。伯母が重傷を負った。

 捜査関係者によると、野津容疑者は死亡した3人を襲撃した前後に、別の場所にいた伯母を電話で呼び出し、到着後に玄関付近で襲ったという趣旨の供述をしているという。

 伯母はその後、首に矢が刺さったままの状態で現場から逃れ、近くの住民宅へ助けを求めた。通報で駆けつけた警察官が付近にいた野津容疑者を発見、「伯母さんを撃った」と犯行を認めたため、現行犯逮捕した。



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