内閣府は4日、事業規模で総額233・9兆円に上る一連の新型コロナウイルス経済対策で、物価変動の影響を除く実質国内総生産(GDP)を合計6・4%程度押し上げる効果があるとの試算を発表した。このうち休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の拡充など、追加対策で雇用維持や企業の資金繰り支援を強化する令和2年度第2次補正予算案では2・0%程度の上積みを見込んでいる。
西村康稔経済再生担当相は同日の記者会見で「事業、雇用、生活を守り抜くことに全力を挙げこの予算を活用する」と強調した。
経済効果では、直接需要を生み出さない無利子・無担保融資や資本支援など企業の資金繰り支援は算入していない。また、1次補正では予備費を経済効果に加えたが、2次補正で計上した10兆円の予備費は現時点で活用されるかまだ分からないとして含めなかった。
一方、民間シンクタンクでは対策の経済効果は2%程度との見方もあり政府試算とは離れている。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは1、2次補正は企業や家計の止血が中心だとして、「収束後の需要押し上げに向け3次補正が必要だ」と指摘する。