昨年10月に滋賀県東近江市の嶋田友輝さん(20)を暴行して乗用車のトランクに監禁し、福井県の東尋坊から飛び降りさせたとして監禁や殺人などの罪に問われたいずれも19歳の少年2人の裁判員裁判初公判が5日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれ、いずれも「間違いありません」と起訴内容を認めた。
事件ではほかに、滋賀県長浜市のとび職、上田徳人被告(40)や、17~20歳の4人の計7人が殺人罪などで起訴されている。
検察側の冒頭陳述などによると、嶋田さんは昨年9月中旬ごろ、知人を通じて主犯格とされる元少年(20)と知り合った。
同年10月7日、嶋田さんがコンビニエンスストアの駐車場で暴力団関係者とトラブルになった際、一緒にいた主犯格の元少年が「巻き込まれた」と立腹し、嶋田さんへの暴行がスタート。2人は話を聞いて暴行に加わり、道路に寝かせて足を車でひいたり、バットで殴ったりしたほか、ライターで体をあぶるなどした。
7人は犯行の発覚を遅らせるため、嶋田さんを崖から飛び降りさせることを決定。「おまえは死ぬんや」などと言って東尋坊まで連れて行き、「はよ落ちろや」と迫って飛び降りさせた。検察側は「残酷極まりなく、くむべき事情はない」と指摘した。
起訴状によると、2人は昨年10月、ほかの少年ら5人と共謀し、同県彦根市内や長浜市内で嶋田さんをバットやフライパンなどで殴るなどの暴行を加えた上、乗用車のトランクに閉じ込めたまま東尋坊まで運び、崖から飛び降りさせたなどとしている。