期待先行の株式市場 実体経済と乖離の指摘も

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2万3000円台を回復した日経平均株価の終値を示すボード=8日午後、東京都中央区

2万3000円台を回復した日経平均株価の終値を示すボード=8日午後、東京都中央区

 新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷とは対照的に、株式相場の上昇が続いている。日経平均株価は8日、約3カ月半ぶりに2万3千円台を回復し、3月19日につけた年初来安値1万6552円83銭から40%上昇した。各国・地域の中央銀行による大量の資金供給が、上昇の支えとなっている。一方で、市場には過熱感を示すサインもともり始めた。「期待先行型」の株式相場がいつ、どんなきっかけで下落するかは見えず、危うさも漂う。

 株価は、特に経済活動が再開し始めた5月中旬以降、上げ足を速めている。目先の過熱感を測る指標として使われることが多い、過去25日間の株価の平均値を示す「25日移動平均」を見ると、その値と8日の日経平均終値の乖離(かいり)率は10%を超えた。ある市場関係者は「過熱感を示す水準とされる7~8%はとっくに超えている。日本株はスピード違反気味に回復してきている」と警戒する。

 相場の支えとなっているのは、主要中銀の金融緩和マネーだ。日本銀行は3月の金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年12兆円へと倍増させた。日銀によるETF買い入れは今年すでに4兆2508億円に膨らみ、昨年の実績(4兆3772億円)に迫る勢いだ。

 問題はこの勢いがいつまで続くかだ。調整局面に入るきっかけとして、2つのパターンが考えられる。

 ひとつは、今後出てくる経済指標に対する市場の見方だ。直近で株価上昇を勢いづけた米雇用統計も失業率などはまだ高水準で、どこかで評価が変わる可能性がある。

 もう一つは国際情勢の変化だ。インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストは「米中摩擦や米大統領選の動向をきっかけに国際情勢が変化すれば、秋口にかけて株価が調整する可能性はある」と指摘。ただ、中銀の積極的な対応によって投資家はリスクを取りやすくなっており、「よほどの悪材料でない限り大きく崩れることはない」とも話している。(米沢文)

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