ダイハツ工業は10日、軽自動車「タフト」を発売した。視界が空まで広がるガラスルーフやアレンジ可能な後部スペースを備え、日常からレジャーシーンまで活躍。成長が見込めるスポーツ用多目的車(SUV)とワゴンの中間的な「軽クロスオーバー」市場に主力車種として投入し、先行するスズキの人気車「ハスラー」の牙城に迫る。
ダイハツの新たな設計手法「DNGA」第3弾のタフトは、SUVらしいタフさのある角ばった外見が特徴。前席の屋根にはガラスルーフ「スカイフィールトップ」を設け視界の広さを確保し、後席はシートを倒すことで日常の買い物やレジャーなどに便利な収納スペースにアレンジできる。安全面では、新たに追加した夜間の歩行者検知機能など17種類の予防安全機能を搭載。価格は税込135万3千円からとなっている。
一般社団法人「全国軽自動車協会連合会」の統計によると、令和元年度の軽乗用車の販売台数はダイハツが44万117台とトップでスズキが41万8179台と2位だったが、今年5月単月(速報値)ではスズキが逆転で首位に。軽クロスオーバーの先駆けで、1月に新型が発売されたハスラーが貢献している。
タフトの開発者はハスラーを今後の成長が見込める軽クロスオーバー市場の「競合車」と位置づけながら「スペックを比較しながら開発はしていない。タフトの経済性や扱いやすさ、安全性を感じてもらいたい」と強調。新型コロナ禍の中での発売となったが「ガラスルーフは日常の買い物でも非日常を感じられ、遠出をしなくても楽しさが味わえるのでは」とアピールしている。