【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、ジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルスに感染した母親が乳児に母乳を与え続けることに問題はないとの見方を示した。
テドロス氏は会見で「WHOは、母乳による育児で新型コロナを乳児に感染させるリスクについて慎重に調査してきた」とした上で「新型コロナ感染のリスクよりも、授乳の利点のほうが上回っている」と結論づけた。テドロス氏は、母親が感染したか、その疑いがある場合でも「よほど体調が悪い場合を除き、母乳による育児を継続し、乳児と引き離さないよう奨励されるべきだ」と述べた。
一方、WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は12日、新型コロナの感染状況について、ブラジルなどの南半球で「流行はまだ勢いを保っている」と指摘した。