【ワシントン=塩原永久】米商務省は15日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が参加する国際的な「標準規格」の策定作業に、米企業が参画することを認めると発表した。米企業は、輸出禁止措置の対象となった華為との共同作業が禁じられていたが、業界標準となる規格の策定で米国の出遅れが懸念されるため、従来のルールを改定する。
ロス商務長官は声明で「米国はイノベーションの指導的立場を譲り渡さない」と述べ、米国の技術が国際的な標準規格となるよう後押しする考えを示した。
同省は、ルール改定の対象となるハイテク分野として、第5世代(5G)移動通信システムや、自動運転技術、人工知能(AI)を例に挙げた。
同省は昨年5月、華為を禁輸対象となる「エンティティーリスト」に指定。輸出管理ルールに基づき、華為が参加している標準規格策定の国際機関の議論については、米企業が参加することが禁じられていた。
ルール改定で米企業は、技術仕様や機能の詳細を、華為が参加する討議で開示することが容認される。
米半導体大手も加盟する米情報技術産業協議会(ITI)は声明を出し、「先進技術を形作る(規格策定の)基礎的活動で、いま一度、米企業が競い、先行できるようになる」と商務省のルール改定を歓迎した。