河村元官房長官「安全保障面で十分か」 地上イージス停止に懸念





自民党の河村建夫元官房長官=18日午後、国会内

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画で候補地の一つだった山口県選出の河村建夫元官房長官(衆院山口3区)が産経新聞のインタビューに応じ、今回の計画停止について「安全保障の面で十分なのか心配だ」と述べ、配備計画を予定通り進めるべきだとの考えを示した。(聞き手 広池慶一、大島悠亮)

 --河野太郎防衛相が15日に突然、停止を発表した

 「全く寝耳に水だ。12日に首相官邸を訪れ、山口県萩市の有識者会議が陸上自衛隊むつみ演習場(同市、阿武(あぶ)町)を適地とした防衛省の調査結果を『おおむね妥当』と判断したことを安倍晋三首相に報告したばかりだった」

 --報告に対して首相は

 「その時は首相から停止の話はなく、報告を聞き置いたという反応だった。直後に河野氏が首相を訪れており、そこで決まったのだろう。15日夜、首相に電話し、首相から『やむを得ない変更だ』と説明を受けた。ただ、地元は過疎地であり、配備に伴う交付金や自衛隊関係者の訪問による地域活性化に期待する声もあった」

 --秋田では適地調査で実際の測量を行わない、ずさんな手法に批判もあった

 「山口でも『危ういものは避けたい』という思いは当然ある。だが、国を守るためにはどこかには配備しないといけない。かつては萩市では幕末の思想家、吉田松陰が日本を守るために行動した。山口はその思いを引き継いだ土地柄でもある」

 --防衛省から説明は

 「河野氏から『事前の連絡ができなくて申し訳ない』といわれた。国の安全保障の重要政策を変更するのはよほどのことだとは思うが、事前に調整すべきだった。地元では慎重論もあったが、北朝鮮の動向などを踏まえ、『抑止力を高めるためだ』と理解を求めてきた。停止となれば、安全保障は十分なのかという心配が湧いてくる」

 --首相が18日の記者会見で新たな安全保障戦略を議論する意向を示した

 「防衛省は『国民の信頼に応える』という気概を持ち、国民が納得する説明がないといけない。私は国民の安全を守るためには、配備計画を当初の予定通り進めなければいけないと思う。首相は会見で敵基地攻撃能力の保有も検討する考えを表明したが、いろいろな意見がある。しっかりした議論が必要だ」



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