野生鳥獣の食肉「ジビエ」を新たな特産品にする取り組みが長野市で本格的に動き出しています。野生鳥獣は農業被害をもたらす、目の敵のような存在です。でもそのジビエとして活用し、地域の活性化を図ろうというわけです。
市は4年前に「ジビエ振興計画」を策定し、ジビエ加工センターを昨年、稼働させました。中条や信州新町など中山間地に当たる西山地区の「道の駅」が、地域の食文化を生かしつつ、新たなジビエの商品開発に当たっています。
中条で限定販売している「ジビエおやき」は、笹(ささ)の葉っぱに包まれた伝統食の笹おやきに猪肉(いのししにく)をつめています。信州新町などでは、この地に伝わる羊肉(ようにく)料理のジンギスカンならぬ、「鹿肉(しかにく)ジンギスカン」を販売しています。
携わった方々のお話を聞くと、新たな特産品作りに込めた思いがひしひしと伝わってきます。それぞれの料理がより長く、より多くの人に愛されてほしいというのです。「信州の食文化は進化している」という印象を強く受けます。これからも味の変化を追いかけます。