【ワシントン=黒瀬悦成】11月の米大統領選の民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領は23日、ネット上の資金集めイベントにオバマ前大統領を初めて招いた。バイデン氏は支持率で共和党現職のトランプ大統領を上回るものの支持層が熱気に乏しいと指摘されており、民主党支持者の間で人気の高いオバマ氏を活用して選挙運動を活性化させたい考えだ。
バイデン氏はイベント開始直後、17万5千人から計760万ドル(約8億円)が瞬時に集まったと強調。オバマ氏は一緒に政権を担ったバイデン氏について「この国を立て直す人物だ」と述べ、支持を訴えた。
バイデン陣営と民主党全国委員会は5月、月間で過去最高となる計8080万ドルを集め、トランプ陣営と共和党全国委への献金の合計7400万ドルを初めて上回った。
トランプ氏は20日から大規模集会を約3カ月半ぶりに再開させ、23日も西部アリゾナ州フェニックスで集会を実施した。対するバイデン氏は新型コロナウイルス感染への懸念からネットを通じた情報発信にとどまっており、両者の違いが支持率の推移にどう影響するかが注目されている。