トランプ米大統領は23日、西部アリゾナ州のメキシコ国境との「壁」の建設現場を視察し、完成した壁の長さが200マイル(約322キロ)に達したとアピールした。国境警備隊との会合で「年末までに450マイルを完成させる」と強調、白人警官による黒人男性暴行死事件などで支持率を落とす中、強硬な不法移民政策の実績を誇示し挽回を図った。
トランプ氏は現地での会合で、11月の大統領選を戦うバイデン前副大統領について「過激な左派に操られており、国境を完全に開け放とうとしている」と一方的に批判。アリゾナ州は激戦州の一つで、トランプ氏は前回選挙では勝利したものの、今回は各社の世論調査結果でバイデン氏にリードを許している。
トランプ氏が壁と呼ぶのは鉄のフェンス。CNNテレビによると、完成した約200マイルのうち、新たに建設したのは約3マイル分で、残りは以前からあった古いものを新しいものに設置し直したという。(共同)