安倍晋三首相(自民党総裁)が党幹部らとの夜会合を本格化させている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い会合を控えていたが、19日に麻生太郎副総理兼財務相や菅義偉官房長官、甘利明党税調会長と会食したのを皮切りに断続的に開催。24日は二階俊博幹事長と杯を酌み交わした。秋にも想定される内閣改造・党役員人事を前に党内の情勢を見極める狙いがありそうだ。
首相と二階氏の会食は約2時間にわたり、同氏の最側近である林幹雄幹事長代理が同席。二階氏が幹事長を続投するかが焦点になる党役員人事をめぐっても意見を交わしたとみられる。二階氏は、首相と対立する石破茂元幹事長と急接近しており、二階派議員は「首相は二階氏の機嫌を取りたいのだろう」と満足げに語った。
22日夜に会食した細田博之元幹事長は党憲法改正推進本部長を務めており、憲法改正に向けた戦略やスケジュールの練り直しも話し合ったとみられる。
首相が党幹部らと時間をかけて会合を繰り返すのは、コロナ禍で一変した世論や与野党の動向も細かく分析し、衆院解散の時機を探っている可能性がある。