兵庫県宝塚市の住宅で家族がボーガンで撃たれて4人が死傷した事件で、1人に対する殺人未遂容疑で逮捕された無職、野津英滉(ひであき)容疑者(23)が兵庫県警の調べに対し、「殺すつもりで急所を狙った」との趣旨の供述をしていることが24日、捜査関係者への取材で分かった。県警は勾留期限の25日に、死亡した家族3人に対する殺人容疑で再逮捕する方針。
事件は今月4日午前、野津容疑者宅1階で発生。同居する祖母の好美さん(75)と弟の英志(ひでゆき)さん(22)、別の家で暮らす母親のマユミさん(47)にボーガンで矢を撃って殺害し、伯母の百合江さん(49)にも重傷を負わせた疑いが持たれている。一連の犯行には全体で数時間かけたとみられる。
捜査関係者によると、野津容疑者は「家族全員を殺すつもりだった」と供述。確実に殺害するため「頭や首の急所を狙ってボーガンを撃った」という趣旨の説明をしているという。
容疑者が発射した矢は計5本。祖母と母親には頭部に1本ずつ、弟には頭部に2本刺さり、伯母の首に1本が命中していた。県警は強い殺意があったとみて調べている。
伯母は首に矢が刺さった状態で近所に助けを求め、通報で駆け付けた警察官が自宅前にいた野津容疑者を発見。「伯母を撃った」と話したため、殺人未遂容疑で現行犯逮捕していた。