逮捕業者、3年連続で落札 落札率99%超 国宝工事官製談合





滋賀県庁の県文化財保護課へ捜索に入る滋賀県警の捜査員=25日、同県庁

 滋賀県発注の宝厳寺(同県長浜市)の国宝「唐門」などの保存修理工事をめぐる官製談合事件で、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された橋本市郎容疑者(60)=長浜市西浅井町=が経営する建築会社「橋本工務店」が、平成29年度から3年連続で同寺の保存修理工事を秘密事項の予定価格と極めて近い価格で落札していたことが25日、分かった。いずれも予定価格に対する落札率が99%を超えていた。

 県によると、29年度から昨年度まで3年連続で、橋本工務店を含めた同じ業者3社が「唐門」などの保存修理工事の入札に参加。他の2社の入札額は、どの年も予定価格を超えていた。

 予定価格に近い金額を橋本容疑者に漏らし、不正に落札させたとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された滋賀県文化財保護課建造物係主査の尾山義高容疑者(41)=同県守山市今宿=は、これらの工事の現場責任者として、予定価格の基礎となる「設計価格」を知る立場にあったという。

 設計価格と予定価格は橋本工務店が落札した全ての工事で同額が続いていた。滋賀県警は尾山容疑者がおおまかな予定価格を知っていた可能性があるとみている。

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 県警は25日、尾山容疑者が勤務していた県庁内の同課などを捜索し、工事関係資料1点と入札結果調書など約240点を押収。官製談合防止法違反などの疑いで両容疑者を送検した。他の工事でも情報漏洩(ろうえい)がなかったかなどについて調べる。



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