名古屋の男性刺殺、事前に「人を刺したい」と署に電話

　名古屋市名東区の路上で同市緑区の会社員、室谷克彦さん（６２）が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された名東区の派遣社員、森長功司容疑者（５１）が事件前に愛知県警名東署に「いらいらして人を刺したい」と電話したが、応対した署員が「切迫した問題はない」と判断し、県警本部に報告しなかったことが３日、捜査関係者への取材で分かった。

　捜査関係者によると、森長容疑者は２日午前１０時４０分ごろに同署に電話。応対した警務課の男性署員が「くれぐれも暴力を振るわないように」などと説得すると、森長容疑者は納得した様子だったという。

　室谷さんの４０代の妻は６月２８日、森長容疑者との男女間トラブルについて同署に相談。森長容疑者の電話があったのは２日午前１０時４０分ごろで、室谷さんと森長容疑者はその後、現場付近で待ち合わせていた。森長容疑者と話し合うためだった可能性がある。

　森長容疑者は２日午後１時ごろ、路上で室谷さんの胸を包丁で刺し、殺害した疑いで逮捕された。同署によると、森長容疑者は「自宅から持ち出した包丁で刺した」と容疑を認めている。