メディア、ネット規制強化も 香港社会に共産党式統治

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 【北京=西見由章】香港国家安全維持法(国安法)について、中国側は「極めて少数の国家安全を脅かす犯罪分子を処罰するための法律で、圧倒的多数の香港市民の各種権利と自由は守られる」(張暁明・香港マカオ事務弁公室副主任)と説明している。ただ、中国共産党が事実上、香港の直接統治に乗り出すことで、香港社会の「中国本土化」が進むのは不可避だ。

 国安法は香港政府の職責として「学校、社会団体、メディア、インターネットなど国家安全に関わる事柄」で宣伝や指導、監督、管理を強化すると規定した。中国政府の出先機関、国家安全維持公署も外国の非政府組織(NGO)やメディアの管理を強化する。

 中国本土のメディアは「共産党の喉と舌」と呼ばれ、当局の宣伝機関と位置付けられる。ネットも欧米系のSNSやニュースサイトは検閲でほぼ遮断。中国のSNSで当局批判を行えば、削除のみならず、発信者の摘発リスクもある。

 香港でも今後、ネットやメディアへの監視・検閲が強まるのは避けられない。

 共産党は昨年10月、香港への「愛国教育の推進」方針も決定している。昨年の「逃亡犯条例」改正案をきっかけとした反政府デモは「香港人」意識の強い若者が中心であり、「中国人」としての愛国教育を徹底する必要があると考えた。

 また、香港を自らの「本土」と主張する香港本土派らは、ミッションスクールで学んだキリスト教信者が多い。キリスト教への締め付けが始まる恐れもある。

 さらに行政、立法、司法の三権の上に共産党が君臨する中国型統治も香港に持ち込まれる。国家安全維持公署が立件した事案は中国の刑事訴訟法に基づいて手続きを進め、中国の最高人民検察院(最高検)と最高人民法院(最高裁)の指定機関がそれぞれ検察権と裁判権を行使する。

 重大な犯罪行為には「終身刑」にあたる「無期懲役」か「10年以上の有期懲役」と定めるが、いずれも中国刑事訴訟法に準拠した表現だ。香港での適用には、香港の法令に合わせて無期懲役を「終身禁錮」、有期懲役を「禁錮」に修正すると補足している。 

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