選択迫られる民主派たち 米公聴会で発言の羅氏、香港離れる





羅冠聡氏(ゲッティ=共同)

 【香港=藤本欣也】香港立法会(議会)の元議員で、1日の米公聴会にオンラインで発言した民主派の羅冠聡氏(26)が3日までに、香港を離れたと表明した。中国への抗議活動を規制する「香港国家安全維持法」(国安法)の施行後、民主派メンバーたちは香港にとどまるのか、あるいは海外で活動を続けるのかの選択を迫られている。

 羅氏は2014年の香港民主化運動「雨傘運動」のリーダーの一人。仲間だった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏=(23)=や周庭(アグネス・チョウ)氏=(23)=らとともに、16年に政治団体「香港衆志」(デモシスト)を結成し、代表を務めた。

 国安法は、中国への制裁を外国に求める行為などを禁止している。米欧諸国や日本に中国への圧力強化を要請してきたデモシストは活動を大幅に制限されることになり、6月30日、解散を表明したばかりだった。

 羅氏は1日、米下院外交委員会の公聴会で、国安法制定を強行した中国へのさらなる圧力を訴えたが、そのときはすでに香港を離れていたと報じられている。

 羅氏は2日夜、SNSを通じて発表した声明などで、香港を離れることへの批判があるのは分かっているとしつつ、「香港にとどまっていても活動ができない。民間外交活動を続けるために苦渋の決断をした」などと語った。滞在先は明らかにしなかった。

 香港でともに活動してきた周氏は6月30日、SNSで「私たちはもっと強く生きなければなりません。生きてさえいれば、希望があります」と表明。3日にはフェイスブックのカバー写真を真っ黒なものに変えた。暗黒の時代を意味しているとみられる。

 また、9月の立法会選挙に向けて街頭活動を続けている黄氏は2日、SNSで「私の自由な時間はすでにカウントダウンに入っているのかもしれない」としながらも、香港人の抵抗を市民とともに世界に示し続けるとコメントした。

 民主派の重鎮、李柱銘氏(82)と黎智英氏(71)も産経新聞の取材に対し、香港にとどまる意思を明らかにしている。



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