3日から4日にかけ、熊本県や鹿児島県で猛烈な雨が降り、各地で土砂災害や浸水、河川氾濫が発生。被災地では避難所が設けられた。
内閣府などは新型コロナウイルス感染防止対策として、4月以降、都道府県などに対し、避難所の過密を避けるために可能な限り多くの避難所を開設することや宿泊施設の活用、親戚宅への分散避難を検討することなどを通知している。
避難所では、受け付け時に発熱の有無などを確認した上で、健康な人と発熱者らの専用スペースを別に確保し、動線も分けるよう提示。避難者の密集を避けるために人と人との間隔を2メートルあけることや、飛沫感染を防ぐために、段ボールなどでの間仕切りの設置が有効だとしている。
ただ、こうした感染症対策を取り入れると、避難所の収容人数が大幅に減少することが明らかになり、各自治体は対応に苦慮している。
車中泊については、一般社団法人「避難所・避難生活学会」理事で、被災地でエコノミークラス症候群の調査をしてきた新潟大特任教授の榛沢(はんざわ)和彦氏は「できるだけ避けたほうがいい」と警告する。
新型コロナに感染すると、同症候群を引き起こす原因となる血の塊「血栓」ができやすいとされ、海外では新型コロナ感染者が同症候群を発症していた例が確認されている。
新型コロナは感染しても自覚症状がない場合も多く、感染に気付かずに車中泊をすると、同症候群を発症する危険性がより高くなると考えられるという。
やむを得ずに車中泊をするときは、急変時に連絡が取れるよう携帯電話を近くに置いておく▽なるべくフラットな状態にして足をさげない▽こまめな水分補給▽弾性ストッキングや着圧ソックスの着用-といった対策が求められる。
自治体が車中泊を受け入れる場所を設ける場合には、榛沢氏は「水分補給をためらわないよう十分な数のトイレを用意する必要がある」と話している。