雪まつりのコスト倍に？　環境省、温暖化の影響予測

　地球温暖化対策が進まなかった場合、「さっぽろ雪まつり」の費用が２倍になる可能性も－。環境省などは、温暖化が今世紀末の日常生活や産業に与える影響を予測した報告書をまとめた。各地域で起きる恐れのある問題を認識してもらい、対応策の検討を促す狙いもある。

　報告書によると、現状を上回る温暖化対策を取らなかった場合、気温は今世紀末までに４度上昇。札幌市や近郊の積雪量が大幅に減り、さっぽろ雪まつりに必要な雪を集める費用が平成３０年に比べて２・２倍になる可能性がある。

　さいたま市では、温暖化にヒートアイランド現象が重なり、熱中症の発生リスクが２・５～３・４倍に。京都府舞鶴市の水道用に取水している川では、河口の海水面が上昇、取水場付近の塩分濃度が高まる。

　環境省は「将来を見据え、地域の生活基盤を守る取り組みの知恵として活用してほしい」としている。