富士通は6日、約8万人の国内グループ社員を対象に、テレワークを基本とする新たな働き方を導入すると発表した。在宅勤務の増加を見据え、今月から通勤定期代の支払いをやめるほか、通信費や光熱費に充てる補助金として全社員に月5千円を支給する。新型コロナウイルス収束後の「ニューノーマル(新常態)」に対応しつつ、生産性を高めるのが狙い。
必ず働く時間帯(コアタイム)のない、より柔軟なフレックス制の適用を全社員に拡大。単身赴任者は、テレワークと出張で対応できる場合は自宅で働けるようにする。また、介護や配偶者の転勤といった個人的事情で転居を余儀なくされた場合でも、転居先で同じ業務を続けられる制度を今年度中に始める。
オフィスのあり方も見直し、グループ企業を含むオフィスの面積は3年以内をめどに半減させる。一方、全国のエリアごとに最先端のITシステムの実証やショーケースの機能を備えた「中核オフィス」や「サテライトオフィス」を拡充、社員が自由に働く場所を選べるようにする。
同社は新型コロナの感染拡大を受けて、工場勤務の社員を除く出社率を2割程度に抑えている。平松浩樹執行役員常務は6日に行ったオンラインでの記者会見で「(出社抑制によって)かなりの業務がテレワークで対応可能だと分かった」と説明、「時間や働く場所にとらわれない、スマートな働き方を追求していく」と抱負を述べた。