漢方薬が「新型コロナウイルスに効く」とうたって薬局には認められない訪問販売を行い、必要な書面も渡さなかったとして、大阪府警生活経済課は7日、医薬品医療機器法違反(販売方法の制限)と特定商取引法違反(不備書面の交付)の両容疑で、大阪府松原市で薬局を経営する「まなべ妙薬堂」の男性社長(43)ら4人と、法人としての同社を書類送検した。
同社が主に販売していたのは、牛の胆石「牛黄(ごおう)」の成分が含まれ、医薬品として承認されている漢方薬。新型コロナへの効果は不明だが、社長は「コロナに効くという内容のチラシを作り、売るように指示した」と供述。薬局の顧客名簿をもとに「マスクをあげる」と電話をしたうえで訪問していた。1~2月の売上金は約850万円だったが、チラシを作った3~4月は倍近くの約1540万円を売り上げていた。
社長の書類送検容疑は3~4月、大阪府と奈良県の60~80代の男女4人に、店舗外で牛黄11瓶と風邪薬1箱を計75万6千円で販売する際、クーリングオフなどについて説明した書類を渡さなかったとしている。
府警は4月、特商法違反容疑で男性社長らを逮捕。その後、釈放し、在宅で捜査を進めていた。