マンションから飛び降り自殺しようとした女性を助けたとして、警視庁蔵前署は8日、台東区の高校3年、越川俊さん(17)と、祖父の谷本章さん(72)に警視総監感謝状を贈った。
同署などによると、5月29日午後3時ごろ、越川さんが帰宅すると、マンションの11階の非常階段の手すりから身を乗り出して自殺しようとする女性を目撃した。とっさに後ろから女性を抱えた。遅れて帰宅した谷本さんも一緒になって女性を手すりから下ろし、危険な状態から救った。
警察官が現場に到着するまでの間、2人は女性に「もう大丈夫ですよ」「警察で話を聞いてもらいましょう」などと声をかけ、落ち着かせることに苦心したという。
「勇気ある行動だった」と同署の宮本博嘉(ひろよし)署長。越川さんは「女性を抱えようとしたとき、自分も落ちてしまうかもしれないと思った。ほっとした」と、女性を助けた際は自らにも危険が迫っていたことを打ち明けた。
孫と一緒に人命救助に貢献した谷本さんは「女性には生きる希望をもって前に進んでほしい」と語った。