中国漁船内で死亡したインドネシア人男性船員1人の遺体が、船内の冷凍庫で保管されていたことが分かった。インドネシア有力紙コンパスが9日伝えた。同国の民間漁業監視団体によると、船員は船長から暴行や食事が十分に与えられないなどの虐待を受けた末に病死した疑いがあるという。
インドネシア海軍や警察などによると、漁船はイカ釣り漁船で、船員は他のインドネシア人船員9人と共に1月ごろから勤務していたが、6月20日に死亡。漁船はその後も操業を続けていた。
遺族からの通報を受けたインドネシア当局が今月8日、同船を含む中国漁船2隻を、シンガポールに近いリアウ諸島州周辺の海域で拿捕した。
中国漁船での劣悪労働は両国間で問題になっており、6月にもインドネシア人船員2人が過酷な労働環境に耐えかねて漁船から海に飛び込み脱走する事件が起きた。(共同)