政府の観光支援事業「Go To トラベル」が22日に始まるが、東京都民が対象から外されるなどしたことで、東京からの客が多い関西の宿泊業界にも落胆が広がっている。事業を新型コロナウイルス感染拡大後の苦境を和らげるのにつなげたいという業界の思いは根強く、新型コロナへの安全性を訴えたり、東京から関西へ旅行の目的地を切り替える近隣客を取り込んだりする取り組みを進める考えだ。(田村慶子)
「思ったより盛り上がりに欠けるかもしれない。東京では新型コロナウイルスの感染者が増えており、(今後、東京も割引対象となるのか)先行きが見えない」
大阪市内のあるホテル関係者は、こう漏らす。
トラベル事業は、還付手続きをどう進めるかなどの基準があいまいで、観光関連業者の不安は強い。JATA(日本旅行業協会)が今月21~26日にかけ、東京、大阪など全国7カ所で予定する事業者向け説明会には申し込みが殺到し、「10分ほどで満席となった枠もある」(関係者)。大阪市では、当初予定していた2回を3回に増やすことになった。