米韓演習を縮小実施か 国防相が電話会談、北の反発は必至


 【ソウル=桜井紀雄】韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相とエスパー米国防長官は21日、電話会談し、米韓合同軍事演習の扱いなどについて協議した。韓国国防省が発表した。結論は出なかったが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、8月ごろに規模を縮小して実施する案が有力とみられている。

 実施すれば、演習の完全中止を要求してきた北朝鮮の反発は必至で、米朝や南北関係のさらなる冷え込みは避けられない。

 米国で新型コロナの蔓延(まんえん)が沈静化しておらず、米本土から韓国への将兵の大規模な移動が難しい状況が続いている。韓国の聯合ニュースは、8月中旬ごろの実施見通しを挙げながら、米国から参加する将兵の防疫のための隔離期間を勘案すると、9月にずれ込む可能性もある点を伝えた。

 一方、米国防総省がホワイトハウスに在韓米軍の規模縮小に向けた複数の選択肢を提示したと最近、報じられたことは韓国内に動揺を広げている。韓国国防省は、21日の電話会談では「縮小に関した言及は全くなかった」とし、これまでも縮小についての「論議自体なかった」と強調した。

 鄭氏とエスパー氏は、北朝鮮の完全な非核化に向けた外交的努力を支援していくことで一致したとしている。連携を強調することで、在韓米軍の駐留経費の負担交渉のもつれなどで生じた不協和音を払拭する狙いがあるとみられる。



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