塩野義製薬が令和3年秋の発売を目指して開発を進める新型コロナウイルスのワクチンについて、3年末までに年間3千万人分以上の生産体制を整えることが20日、分かった。年間1千万人規模としていた従来計画を3倍に引き上げる。臨床試験の結果が出る前の段階から生産増強の準備を進めるのは異例だが、少しでも早く提供するには必要と判断した。
子会社のUMNファーマ(秋田市)が持つワクチンの生産技術を活用する。塩野義の協力会社で、バイオ医薬品製造のユニジェン(岐阜県池田町)の工場で生産する。計画の3倍に生産能力を引き上げるに当たり、ユニジェンの工場の設備を増強する。
臨床試験(治験)を11月にも始め、早ければ3年1月にも一部の医療機関に限定して供給する。