【台北=矢板明夫】7月30日に97歳で死去した台湾の李登輝元総統の追悼会場が1日、台北市中心部の「台北賓館」に設置された。炎天下、大勢の市民が長蛇の列を作り、一人ずつ李氏の遺影に花を手向けた。
追悼会場の中央には、花に囲まれた大きな李氏の笑顔の写真が飾られた。一般公開に先立ち、1日早朝に会場を訪れた蔡英文総統は大きな花束を供え、メッセージボードに「民主主義の台湾を末永く見守ってください」との言葉を残し、故人をしのんだ。
頼清徳副総統や蘇貞昌行政院長(首相に相当)、馬英九前総統、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表らも同日、会場に姿を見せ、李氏の冥福を祈った。
桃園市から会場を訪れた会社員の男性(27)は「香港の若者と警察当局の抗争の様子をテレビでみると、自由と民主主義の台湾に生まれたことは本当に幸せだと思う。すべては李登輝さんのおかげだ」と話した。新北市の主婦(55)は「李さんは私たち、すべての台湾人の父親だ。本当に悲しい」と話した。
会場は16日までの毎日午前10時から午後5時まで一般開放される。