イランに「第3波」 相次ぎ対策 首都は医療崩壊状態


イランは感染拡大の「第3波」に見舞われ、首都テヘラン当局は10日から公共の場でのマスク着用を義務付けた=同日、テヘラン(ロイター)

イランは感染拡大の「第3波」に見舞われ、首都テヘラン当局は10日から公共の場でのマスク着用を義務付けた=同日、テヘラン(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】イランで新型コロナウイルスの感染者・死者数が相次いで過去最悪を更新し、感染拡大の「第3波」に見舞われている。首都テヘラン当局は10日から公共の場でのマスク着用を義務付けるなど、対策に追われている。

 イラン当局は8日、1日当たりの新規感染者数が4392人、7日には死者数が239人に上ったと発表、いずれも過去最悪となった。ロイター通信によると、テヘランでは集中治療室のベッドが不足し、新たに病院に来た感染者もベッドが空くのを待っている。救急車は病院を回って患者の受け入れ先を探している状態だ。

 2月中旬に初感染が確認されたイランでは4月と6月に感染が拡大。その後やや落ち着いたものの、9月から急増に転じた。政府は今月3日、学校やモスク(イスラム教礼拝所)、映画館などの閉鎖を命じた。

 ロウハニ大統領は3日、感染を隠して14日間の自己隔離を行わなかった者は厳罰に処し、感染防止策を順守しない公務員は停職処分にすると述べるなど、拡大阻止に懸命になっている。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、人口約8300万人のイランの感染者は累計50万人に迫る勢いで、死者は2万8千人を超えた。



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