現代自動車グループの鄭義宣新会長が14日午前、世界の役員社員に送ったビデオ就任メッセージで発言している。[写真 現代自動車グループ]
現代(ヒョンデ)自動車の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長体制が出航した。航路は「カーマゲドン(自動車+終末を意味するアルマゲドンの合成語)」の正面突破だ。鄭義宣会長率いる現代自動車の旗艦には電気自動車、水素電気自動車、自動運転車、都市航空モビリティー(UAM)など未来モビリティーがいっぱい載せられた。
しかしカーマゲドンという言葉が象徴するように険しい高波が予想される。これに先立ち昨年10月に鄭会長はタウンホールミーティングで「未来の現代自動車グループは自動車50%、個人用飛行自動車30%、ロボット20%になるだろう」と明らかにした。このビジョンが実現されるには電気自動車とUAMなどで世界トップ圏に打って出ると同時に内燃機関車で根強く収益を出さなければならない。これに先立ち昨年10月に鄭会長は「2025年まで未来自動車分野に41兆ウォンを投入する」として未来自動車産業発展戦略を発表したが,この財源は既存のビジネスで調達しなければならないためだ。これに対しグローバル経営環境は容易でない。新型コロナウイルスの余波で上半期の営業利益は前年同期で現代自動車が29.5%、・起亜自動車が47.7%減った。
現代・起亜自動車は今年世界の電気自動車販売で4位に上がった。悪くない成績だが1位のテスラに比べると販売台数は4分の1水準だ。また、水素電気自動車分野ではドイツなど自動車先進国よりリードしているという評価を受けているが、まだ水素電気自動車は未来自動車の主流ではない。10年後に水素電気自動車を100万~200万台水準で販売するとしても世界の自動車販売の1~2%にすぎない。
◇ヒューマンウェアにC・A・S・E、課題は多い
韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「2年前の副会長就任後に現代自動車グループは未来自動車・エコカー分野に大挙進出したが、すべての事業で『技術臨界値』を達成するのは容易でないだろう。選択と集中を通じて優先順位を決める必要がある。供給者中心よりは需要者中心で進めなければならない」と話した。
2028年に商用化するというUAM分野も進む道は遠い。イ・ハング研究委員は「UAMで売り上げの30%を達成するには現在のグループ売り上げを基準として50兆~60兆ウォンなくてはならないが、それほどの市場が形成されるのか疑問」と話した。続けて「技術開発とともに法制度整備まで事実上現代自動車が引っ張っていかなければならない課題を抱えている」と話した。
鄭副会長は未来事業の割合とともに「コンテンツ」に対しても明らかにした。「現代自動車がスマートソリューションプラットフォームプロバイダーにならなければならない」ということだ。未来自動車の成功要因に挙げられる「C・A・S・E(連結性、自動運転、車両共有、電動化)」を中心にモビリティープラットフォーム企業として生まれ変わるという戦略だ。
現代自動車、鄭義宣会長時代…その未来は(2)