SNS時代において、たくさんのフォロワーを持つインフルエンサーは絶大な影響力を持つ。(浜田理央 / ハフポスト日本版)
【インスタ】ケーキ店が作ったインフルエンサー用のルール
だた、ロンドンのケーキ屋「Anges de Sucre」はうんざりしている。
インフルエンサーたちが、SNSで取り上げる見返りに、ケーキ代をタダにするよう求めてくるからだ。
お店のブログで、その要望に応じられない4つの理由を挙げている。
個人やビジネスのイベント用にケーキを求める全てのインフルエンサーや著名人、企業に宛てて、こう呼びかけている。
「(SNSなどでの)露出の見返りにケーキを求める何百もの要望をもらっています。ご連絡には感謝いたしますが、お応えしかねます。なぜかというと、あなた方の“タダ働きの機会”は、ありがたくないからです」
お店が挙げた4つ理由は、次の通り。
▽機会費用:Likeを稼ぐよりも、お金を稼いだり家族や友達と過ごしたりするために時間に使いたい。Likeのために時間を割くのはもったいない。
▽露出価値の低下:著名人やインフルエンサーのイベントや投稿は、たくさんの試供品が並ぶので、自分たちの商品の露出価値が薄まってしまう。
▽際限のない要望:一度無料で提供すると、他の人からも際限なく要望がくる。
▽投資利益率:お店のインスタアカウントでの投稿や、購入したお客さんが投稿してくれる。何十万というランダムなフォロワーよりも、お店のロイヤルカスタマーやリピーターに届けたい。
ブログでは、無料提供を求めるダイレクトメールやメールが溢れているとも明かした。
「インフルエンサーマーケティングの力は絶大で、“インフルエンスすること”が、若い人たちの間で人気のキャリアの選択肢になっていると承知しています」と断った上で、自分たちには当てはまらないことだとつづっている。
「特に、ハンドメイドで、食べられるアートであるケーキは、製作コストがかかります」と理解を求めている。
お店を経営するケーキ職人は、BBCに対して「インフルエンサーがいつもケーキの無料提供を求めるのにうんざりして、このブログを書きました。コロナ禍では以前よりも増えて、戸惑っています」と答えている。
BBCはまた、インフルエンサーたちの反応も紹介している。
インスタグラム18万人、Tiktokで7万人のフォロワーがいる美容ブロガーは、1投稿で200~600ポンド(2万7000円~8万1000円)をもらっているという。
「コスメブランドから商品の使い方のチュートリアルを作って欲しいと頼まれたとしたら、SNS上で数十万から100万人が視聴し、少なくとも2000ポンド(約27万円)の売上に貢献できると分かっています」と説明している。
1万7000人のインスタフォロワーがいる別の美容ブロガーは、 無料試供品を求めたことがないという。
「もしコラボを持ちかけられれば喜んで協力します。フォロワーの多くないインフルエンサーが、小規模ビジネスやお店に無料提供を求めるのは、失礼だと感じています」と話している。