大阪市を廃止し4特別区に再編する「大阪都構想」をめぐり、15年に続く2度目の住民投票が否決されて一夜明けた2日朝、同構想を看板政策とした大阪維新の会を創設した橋下徹元大阪市長(51)が、TBS系「グッとラック!」に生出演し、否決理由を「人間の特質」とした。
【写真】「大阪都構想」が否決され会見する吉村洋文大阪府知事と松井一郎大阪市長
橋下氏は「人間には変化に対する不安がある。それを解消することができなかった」とし「人間というのは現在の不安には寛容なもの」と続けた。大阪市を廃止する「大きな変化」を受け入れてもらえるだけの説明ができなかったとの見解を示した。
橋下氏は08年に大阪府知事に就いたが、当時の平松邦夫大阪市長と対立せざるを得なかった状況に直面。大阪府、大阪市の二重行政で無駄な支出があるとして「府市あわせ(不幸せ)」解消のため、橋下氏が大阪市長へ鞍替えし、松井一郎現大阪市長が府知事選へ出馬して当選した。
「同じ政党から府知事、市長が出た」ことで、二重行政の解消を進めた。橋下氏らにとっては、この時の思いが「大阪都構想」の原点であり、2度にわたる住民投票で、若い世代が大阪の将来を考える結果につながったことに「ある程度納得している」とも語った。
橋下氏は在任中から、府知事、市長が今後「ずっと同じ政党とは限らない。また『府市合わせ』な時代がくるかもしれない。そうならないよう、制度化するのが『大阪都構想』だ」と繰り返し、訴えてきた。
今回の否決を受け「本当に大阪市を残したいと思うのなら、府と市の対立をやめさせなければならない。その意識付けになれば」などとも呼びかけた。