相次ぐ対策にも「Uターン企業」の増加はわずか…行く道は遠い韓国のリショアリング


海外に出て行ったが今年韓国に戻ってきた「Uターン企業」の数は21社と集計された。昨年1年間のUターン企業数16社を上回った。だが韓国政府が関連対策を相次いで出しているのと比較すると微々たる実績だ。企業規制緩和と労働市場柔軟化のような根本的な対策がなければリショアリング(海外進出企業の国内復帰)活性化ははるかに遠いという診断が出ている。

◇1~11月のUターン企業21社

9日の産業通商資源部によると、今年は21社がUターン企業に選ばれた。Uターン企業数が最も多かった2014年の20社を上回った。このうち大企業と中堅企業は6社だ。海外に出て行った大企業・中堅企業のうち韓国に戻ってきた企業は2014~16年が2社、昨年は4社だった。

産業通商資源部は「新型コロナウイルス流行後にグローバルサプライチェーン再編が進んでいる中で、K防疫の成功、Uターン補助金新設と支援拡大、スマート工場支援強化など韓国政府の積極的なUターン活性化対策に力づけられた」と説明した。

10日からはUターン企業に対する支援策を拡大する。韓国政府が「海外進出企業の国内復帰支援に関する法律」の施行令・施行規則を改正する。

これによると研究開発センターのような研究施設も国内に復帰すれば支援を受けられる。Uターン企業と認められ政府支援を受けようとするなら海外事業所の生産量の一定部分を縮小し、国内に新増設投資などをしなければならないが、研究施設は一般事業所と違い生産量を測定できず、従来の基準では認められるのが難しかった。

これに対し政府は海外事業所縮小基準に「経常研究開発費」を新設し、海外研究施設の規模に基づいて海外事業所の縮小比率も差別化した。

海外事業所Uターン企業認定要件も緩和した。韓国標準産業分類小分類上の同じ業種だけUターン企業と認定したが、小分類が違っても国内復帰企業支援委員会審議を通じて同一性を認められるようにした。

非首都圏だけ受けることができた補助金支援対象地域も首都圏を含めた全国に拡大した。ただし首都圏は先端業種に限定して補助金を支給する。

しかしUターン活性化までには解決しなければならない課題は依然として多い。まず現場からは支援がまともに行われていないという声が絶えない。野党「国民の力」の姜起潤(カン・ギユン)議員によると、2014年から今年6月までのUターン企業71社のうち、土地取得と設備投資で国の補助金を支援されたのは10社にとどまった。同じ期間に雇用補助金を受けた企業の数もやはり11社にとどまった。

◇海外進出企業の80%「韓国に帰らない」

Uターンを妨げる各種規制も相変わらずだ。KOTRAが「国民の力」の権明浩(クォン・ミョンホ)議員に提出した「海外進出韓国企業の経営現況と移転需要アンケート調査資料」によると、海外に法人を置く韓国企業のうち79.2%は「政府支援があっても韓国へ移転を考慮しない」と答えた。2~3月に海外に会社を置く企業1028社を対象に実施した調査結果だ。

Uターンを考慮しない理由(複数回答)では、「生産コストが上がる」と答えた企業が66.7%で最も多かった。週52時間勤務制導入と最低賃金上昇など硬直した労働環境を挙げる企業も58.3%に達する。次いで「各種規制」が33.3%、「求人難」が25.0%の順となった。

権明浩議員は「多くの企業が生産コスト上昇と労働環境、各種規制などから韓国への移転を考慮しないと答えた。海外進出企業が韓国に復帰するためには文在寅(ムン・ジェイン)政権が労働関連規制と企業を締めつける反企業感情を捨てるべきだ」と話した。



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